風邪には早めの漢方薬をー漢方の常備薬

Sports J 9月21日号掲載

風邪のひきはじめでのどがちょっとかゆいだけ、あるいはちょっと寒気がするだけのときは桂枝湯。これは妊娠中の方の風邪のひきはじめにも適しています。早期発見・早期治療すれば翌日には「あれ、昨日風邪ひいたかなと思ったのは気のせいだったかな?」と思ってしまうくらいよくなってしまうこともあります。熱が上がってきたときや食欲がなくなってきたときは小柴胡湯。嘔吐や下痢があれば五苓散。鼻水とせきが出るようなら小青龍湯。などを用意しておくと便利です。

桂枝湯、小柴胡湯、五苓散はお互いを混ぜ合わせると別な用途にも使えるので重宝します。たとえば、桂枝湯と小柴胡湯を1対1で混ぜると、柴胡桂枝湯という別な方剤が出来上がり、風邪をひきおわった後なかなかすっきり治らないときや、心身症っぽい症状があるときにトランキライザーの代わりに使います。小柴胡湯と五苓散を混ぜ合わせると柴苓湯という方剤になり、風邪から始まった耳の炎症、下痢、嘔吐、むくみや、帯状疱疹のような赤くてじくじくした炎症に使います。

整形外科的な症状には芍薬甘草湯を用意しておくと、急なこむら返り、筋肉痛、腰痛、などの他、風邪以外の急な腹痛、下痢のときに役に立ちます。

漢方薬は効き始めるのに時間がかかる、と思い込んでいらっしゃる方も多いかもしれませんがここにあげた漢方薬は遅くとも2日以内に効果が現れるものばかりです。芍薬甘草湯などはこむら返りのおきたときにすぐ飲むとその場で痛みが和らぐことが多く重宝します。ちなみにこれは子供の夜泣きにも効くことがよくあります。お困りの方ぜひお試しください。

漢方薬をアメリカで買うには、Chinese herb storeに漢字で書いたメモを持っていくのがいちばん手っ取り早い方法です。オンラインのChinese herb storeで買うには方剤の中国語Pin Yin表記が必要な場合があります。賀川漢方クリニックウェブサイトの”漢方薬日本語ーPinYin対応表”を参考になさるのもよいでしょう。

でもやっぱりどれを飲んでいいかわからないとう方はお早めにご相談ください。メールでのご相談も受け付けております。ご利用ください。




漢方の常備薬 使用例


桂枝湯(けいしとう) 風邪のひき始め
小柴胡湯(しょうさいことう) 風邪で熱が上がってきたとき、風邪で食欲がない
五苓散(ごれいさん) 下痢嘔吐
小青龍湯(しょうせいりゅうとう) せきと鼻水
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) こむらがえり、筋肉痛、腰痛
小柴胡湯+五苓散 風邪から始まった耳の炎症、熱をもつじくじくした炎症
桂枝湯+小柴胡湯 長引く風邪、心身症

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