便秘からくる頭痛

便秘を放っておくと頭痛が起こることがあります。便秘には従来痙攣型と弛緩型の2つのタイプがあるとされてきましたが、最近札幌の時計台記念病院の宇野良治先生により、大部分の難治性便秘はじつは痙攣と弛緩が共存する混合型であることがわかってきました。また昭和の漢方の名医、大塚敬節先生のご子息、大塚恭男先生はそれら3タイプの便秘に対応する漢方を独自に考案されました。

痙攣型はころころ便または鉛筆のような細い便、下痢便秘を繰り返す、腹痛、残便感がある、などを特徴とし、腸の筋肉の緊張を緩める作用のある小建中湯という漢方薬が有効です。弛緩型は硬く太い便、便意を感じない、お腹が張る、腹痛はない、などを特徴とし、腸のぜん動運動を促進する働きのある大建中湯という漢方薬が有効です。混合型は痙攣型と弛緩型の両方の特徴をあわせもつので、小建中湯と大建中湯を混ぜた中建中湯が有効であることが示されました。

下剤の中にはよく飲みつづけるとだんだん量を増やさないと効かなくなってくるものがあり、特に大黄やセンナの入った下剤では長期間の使用を控える注意が必要となりますが、小建中湯、大建中湯の中にはそれらの成分が入っていないので使いやすいといえます。

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