三叉神経痛に五苓散

三叉神経痛の治療に五苓散を初めて使ったのは昭和の漢方の名医、大塚敬節先生(1900-1970)であるといわれている。

隣家の女中さんが顔面の左半分がひどく痛むと言って来院した。脈は浮小で、三叉神経の第1枝に沿って痛む。葛根湯を2日分与えたが、効がない。香芎湯を2日分与えたが、効がない。ところがその頃から、強い口渇を訴えるようになった。小便もとても少なく1日に1-2回だという。そこで口渇と尿の減少と頭痛を目標にして五苓散を与えた。2日分でほとんど痛みがとれ、4日分で全治した。

症候による漢方治療の実際 第5版 大塚敬節著 南山堂 p。31 より抜粋

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