アレルギー性鼻炎と漢方

Sports J3月16日号掲載

アレルギー性鼻炎と漢方

暖かくなってきていろいろな花が咲き始めましたね。外に出るのが楽しいはずのこの季節、アレルギー性鼻炎で苦しんでおられる方にとってはつらい季節ですね。せっかくの良い天気も美しく咲き乱れる花々も楽しむ気持ちになれないものです。

一口にアレルギー性鼻炎といっても、漢方ではおおまかに寒タイプと熱タイプに分けてして対処します。透明な鼻水がたくさん出て涙やくしゃみがよく出る方は寒タイプと考え、からだを温めて余分な水分を追い出す作用のある小青竜湯などの漢方薬を処方します。

漢方薬は効き目が出るのに時間がかかると思っていらっしゃる方も多いと思いますが、日本の漢方医、山本巌先生はお医者さん相手の漢方の講演会にこの漢方薬を持っていって、聴衆に「アレルギー性鼻炎の方はいらっしゃいますか?」とたずね、粉末の漢方薬をその場で飲んでもらい、くしゃみは5分、目が痒い、鼻水が出るなどの症状は15分くらいで止まるのを観察されたそうです。

逆に鼻が詰まる、鼻水が粘って黄色い、暑くなると悪化し、冷やすとよくなるという方は熱タイプと考え、少し冷やす作用のある葛根連湯などの漢方薬を処方します。

杉や草花の花粉は昔からあったのにどうしてアレルギー性鼻炎は近年になって急に増えてきたのでしょう?過剰な鼻水や涙などは漢方では過剰な水分すなわち「水毒」のしわざと考えます。水毒はからだを冷やしたり、甘いものを食べ過ぎたりすると発生します。昔はそう簡単に甘いものは手に入らなかったのでからだに「水毒」がたまりにくく、アレルギー症状が出にくかったのかもしれません。山本巌先生は、いくら漢方薬を飲んでも甘いものを食べていたら治りません。甘いものを食べたら誰でもなります。とおっしゃっていたそうです。ストレスがたまるとつい甘いものがほしくなりますが適量にとどめておくようにしたいものです。

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